【ブラステル導入事例】TIC TOKYO様、訪日外国人向け公衆型ネット電話「BRASTEL FLIP SHARING」の導入事例をご紹介。外国人観光案内所における電話の役割を伺いました。

全国の観光・訪日旅行関係者の視察が多い観光インフォメーションセンター「TIC TOKYO」。ブラステルのVoIPプラットフォームを活用した公衆型ネット電話「FLIP SHARING」を導入して3年を経た今、同センターのマネージャーである森観光トラスト株式会社の本間貢様より、FLIP SHARINGの導入経緯から運用状況までを伺いました。

【導入の背景】
≪緊急時に電話の問い合わせが多い≫

東京駅日本橋口から徒歩1分にあるTIC TOKYOは、2009年6月に開設し、全国の発地情報、日本の諸事万端に関する旅行者の要望や質問に対応できる全国の観光案内所の中心となっている。また多言語対応による観光案内の知識・ノウハウに加えホスピタリティ(おもてなし)に富むコンシェルジュの評判がソーシャルメディア上で話題を呼び、海外の旅行ガイドにも掲載されるなど、外国人旅行者の来館は多い。

さて、同社がFLIP SHARINGを導入したのは、来館する外国人旅行者から公衆電話に関する問い合わせが意外にも多かったのがきっかけだった。航空券の変更や家族への連絡、国内施設の電話予約といった比較的緊急性の高い電話需要が多い。開設当時、館内には公共の電話設備がなかったため、近くの公衆電話を案内していたという。しかしながら全ての公衆電話で国際通話ができるわけではないため、困りはてて再び戻ってくる旅行者もいた。挙句の果てに、業務用の電話を無料で貸すはめになり、そのたびに業務に支障がでていた。


【導入決定のポイント】
≪導入費用と国内外の通話料の安さに加え、運用のビジネスモデルが決め手≫

「当初、公衆電話の導入を検討していたものの、ブラステルの公衆型ネット電話と比較して、導入費用に桁違いの開きがあった。」とTIC TOKYO・本間マネージャーは語る。ブラステルが提供するVoIP(Voice over IP)プラットフォームにSIP電話機を接続し、公衆・移動体通信網を介して国内外へ割安に電話ができる本サービスを導入したのは、開設の2ヶ月後。導入の決め手は、SIP電話機の購入とインターネット環境の準備以外に施設側の費用負担がない点と、格安な通話料が低廉化志向の旅行者にとってメリットが高い点にあったという。

実際の利用にあたっては、利用者はプリペイド式のブラステルカード(電話カード)にチャージをする必要がある。その売上に応じた手数料が設置企業の収益となる。この手数料は2段階で発生する。1つはカード配布に伴う手数料と、2つ目はチャージ業務に伴う手数料だ。これらの手数料がTIC TOKYOの事業収入になるほか、割安な通話料が顧客満足の向上につながり、これまでの課題であった業務支障もなくなった点を本間マネージャーは評価する。


【実際の運用状況】
≪電話設備が来館理由の契機に!≫

TIC TOKYOでは2台のSIP電話機のほか、ブラステルカード、そのカードに入金するためのチャージ端末を設置している。当センターは、東京駅日本橋口広場に面している立地条件から、プライベートユースの旅行客以外に、丸の内、大手町、日本橋周辺の外国人ビジネスマンの来館も多い。またセンターのビル内には外資系ホテルが入居しており、その宿泊客が国際電話を利用するために何度か来館されたケースもある。ビジネスユースでは、センター近くの外資系会社が訪日する外国人顧客に国際電話を使わせたいということで、電話利用とチャージのために幾度か来館されたという。
よくある利用のパターンとしては、TIC TOKYOでのSIP電話機の利用のみならず、地方の旅先でもブラステルカードを通じて一般の公衆電話等からでも安く電話ができる点がお客様から評価を得ているようだ。

2011年3月11日に起きた東日本大震災の当日、東京駅の公衆電話には、連絡を取りたい人々が長蛇の列をなしていた。その列を待ちきれない方々が当センターに駆け込んで来たが、電話回線を経由しないFLIP SHARINGの特徴から、通話がつながったケースも多く、災害時にも有効な通信手段であることが証明された。

観光庁が2011年10月に実施した外国人旅行者に対するアンケート調査※によると、観光案内所に不満を感じた点の中に、「国際電話の設備がない」という回答がある。旅行者が電話をしたい時は、緊急性が高い場合が多いと上記で述べたとおりだ。「最近は、スマートフォンやタブレットを持参する外国人旅行者が多く、無料通話アプリの利用者も多い。しかしながら、国内においてはフリー(無料)WiFiの整備が遅れており、旅行者が簡単に利用できる環境にはない。その観点からもブラステルのSIP電話機でのサービス提供は、緊急時はもとより平常時においてもその役割は大きい。」と本間マネージャーは語る。


【今後の展望】
≪全国の観光案内所同士の連携強化と災害時の簡易避難所としての役割を≫

すでにTIC TOKYOにおけるサービスの一つとなった電話サービスだが、今後の目標として本間マネージャーは次のように語る。「一つ目は、地方の観光案内所にもネット電話のネットワークメリットを伝え、互いに無料通話を実現することで、連携強化を図りたい。結果、費用対効果の高い観光案内体制が実現することで、旅行者の評価も高くなる。二つ目は、東日本大震災の時に経験した電話の役割を今後も生かすために、観光案内所のみならず、災害時の簡易避難所としても貢献したい」と公衆型ネット電話のさらなる活用方法に期待していると語ってくれた。


◇TIC TOKYOについて
TIC TOKYO(Tourist Information Center Tokyo)は、森観光トラスト株式会社(東京都知事登録旅行業第2-5875号)が運営する観光インフォメーションセンターです。詳しくは以下URLからご覧ください。


※外国人旅行者に対するアンケート調査結果について(第2回外国人観光案内所のあり方に関するWG(平成23年11月1日)資料)



ブラステル株式会社

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